パンドラの箱

自分の書いた小説などの文章をアップします。 いろんなジャンルがありますので、よかったら読んでいってください。読み逃げ全然OKですw

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ふりしきる雨。
古びたレンガに囲まれた路地裏で、彼女はじっとうずくまっていた。
膝をかかえるその腕、その足、腰、容姿、なにもかもが完璧に美しい女。
だがその端麗な顔に浮かぶ表情は、暗く沈んでいた。
空ろな目、降りしきる雨に打たれながら、雨が降っていることさえも気づいていないかのように、視線を宙に彷徨わせている。

そんな彼女に、裏通りを通る男たちが目をつけた。
野卑な笑いを顔に浮かべ、数人で近寄ってくる。
「よぉ、きれいなおねーちゃん。どうしたんだ?」
「男にでも振られたのかい?俺たちが天国へ逝かせてあげるぜぇ」
男の一人が、彼女の腕をとり、強引に掴んで立たせる。
濡れて皮膚にまとわりつくTシャツとジーンズには、完璧な身体のラインが浮き上がっている。
男たちは舌なめずりをする。

「こりゃあ・・・女優みたいなべっぴんだな。このへんではお目にかかれねえ玉だ」
「楽しみだぜ・・・」
熱い吐息が彼女の頬にかかる。


その時だった。

バキッ!

彼女の腕を掴んでいた男の一人の身体がすさまじい勢いで背後に吹き飛んだ。
「な、な、なんだっ!?」
目にも留まらぬその状況に、目を丸くする。
彼女は、宙に向けていた視線を、ゆっくりと男たちに向けた。
冷たく澄んだ深海のようなブルーアイズ。
吸い込まれそうな色は、さきほどの空ろさが消え、激しいまでの青い炎と化していた。
「お、おまえがやったのか!」
「・・・ワタシニ・・・サワルナ・・・」
形のよい薄い唇から漏れる抑揚のない声。
男たちは息を飲む。彼女の全身から放たれる冷たい気。
「こ、こいつめっ・・・!痛い目見せてやる!」
男たちが一斉に飛び掛る。
だが、ものともせずに男たちの荒々しい一撃を交わし、彼女はすばやい動きで、彼らに次々と一撃を加えていった。
バキッ!ドカッ!
一瞬で倒れてゆく。一人残った男が息を飲むごくんという音が大きく響いた。
「な、な、な、なんだこの女っ!ば、ばけものか・・・!じょ、じょうだんじゃねえぜ!」
男は、足を縺れさせながら、その場から逃げ出していった。

小雨が、熱い気を見にまとった彼女の身体を少しずつ冷ましていった。
瞳の強い光がだんだんと色を失い、また空ろになる。
倒れた男たちの真ん中で、彼女はぺたんと膝をついた。
「・・・タスケテ・・・ワタシを・・・オネガイ・・・」
「エリサ!」
その声がした瞬間、彼女はびくんと身体を震わせる。
何かとても信じられないものを聞いたかのように。
「あ・・・」
「エリサ!」
もう一度聞こえる。幻聴じゃない。何度も何度も、夢で聞こえては、幻だった声。
この世界で一番うれしくて、そして一番彼女を苦しめる。
「ヴィンス・・・?」
「エリサ・・・」
声の主は現れた。
雨の降りしきる中を、気にせずに走り回っていたことがわかるように、全身濡れそぼり、だが、その身体からは
ほとばしるような熱。彼女を見つけたことで興奮しているのか、頬が高潮していた。
ためらいもなく彼女に走りより、抱きしめる。
彼女は僅かに身を震わせる。小動物のように。
目は怯えたような悲しい色合いを帯びていた。
「やっとみつけた・・・無事でよかった」
心配そうにエリサの顔を見つめるその瞳は、ブルーアイズ。彼女と同じハニーブロンドの髪。
「会いたかったよ、エリサ。もう逃げないでくれ。俺と・・・かえろう」
「ヴィンス・・・にいさん・・・」
エリサを強く抱く腕。この力強さから、彼女は逃げたかったのだ。
だから、こんなところまできた。呪縛を抱えながら。ただ一人。
つかまってしまったら、もうこの腕から逃げられない。いや、逃げようとすることができないのだ。
エリサは、ヴィンスの袖をきゅ、っと掴んだ。
「ごめんなさい・・・わたし・・・帰れない・・・」

だって、貴方を愛してしまったから---
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コメント

ぅにゃ~(≧w≦)

新作だー☆新作♪
すっげぇかっこぃぃ(≧w≦人)
ただものではなぃ女性とそれを優しく包み込む男。。。
兄弟?(゚□゚;)!?

。。。荒事も和事も書けるうららちゃんすっげぇ☆

  • 2007/02/07(水) 07:20:01 |
  • URL |
  • にゃあ #SFo5/nok
  • [編集]

にゃあさんありがと^^
続き書いてたつもりで今読んでたらまだプロット状態でしたorz
ちなみにエロい展開にはならないのです・・・

  • 2007/02/08(木) 10:17:28 |
  • URL |
  • うらら #-
  • [編集]
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関谷うらら
  • Author: 関谷うらら
  • 妄想大爆走な文章を書くのが趣味の♀です。
    「妄想は自分を裏切らない、妄想も自分を裏切ってはならない」が座右の銘ですw

    ご連絡などありましたらこちらまでw
    urara0202777@excite.co.jp

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