パンドラの箱

自分の書いた小説などの文章をアップします。 いろんなジャンルがありますので、よかったら読んでいってください。読み逃げ全然OKですw

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水曜日 2:00pm
 優奈は、心配そうに洗面所の前をいったりきたりしていた。そして意を決したように、ドアをコツコツと叩いた。
「かおるこさ~ん、大丈夫ですか?」
 薫子が昼過ぎから事務所の部屋に閉じこもったきりなのだ。
「具合でも悪いんですかぁ?」
「大丈夫よ。今出るわ」
 ドアが開いて薫子が出てくる。と…

 薫子はいつものスーツ又はカジュアルなスタイルとは違って、襟のところに白いファーのついた淡いパステルピンクのワンピースにスエードのコート、キャメルカラーのミュールに、コサージュのついたファーのバッグ、という、いかにもお嬢様っぽいスタイルできめていた。髪形も先の方にふんわりとウェーブのかかったウィッグを被っている。化粧も淡いパールを使ったナチュラルメイクで、いつもの薫子とは雰囲気が全く違う。
「わあっ薫子さん、素敵! なんかお嬢様って感じですね~!」
「でしょ。今日の変装のテーマはずばり、高級住宅地に住む生粋のお嬢様よっ!」
「薫子さん…しゃべらない方がいいかもしれないですぅ…」
「うっ…や、やっぱり?」
「それにしても、一体なんのための変装なんですかぁ?」
「実は麻生さんの提案でね…」
 日曜日の他に、月に一度第一水曜日に『カフェ・シーラ』という店で、会の中心メンバーが集まってお茶会をしているので、そこへ行ってみよう、というのだ。
 だが、この前公園に行った時顔を見られているので、ばれないように変装をすることにしたのだった。
「なるほど~それで変装の謎が解けましたっ!」
「中心メンバーは熟年層が多いそうだから、お嬢様風の方が好感度高いしね」
 そう言ったとき、ふいに事務所のドアが開き、誠司が入ってきた。
「あ、先輩お帰りなさい」
「誠司さん、お帰りなさ~い」
「おう、ただいまー…って、アレ!?」
 誠司は薫子の顔をまじまじと見つめ、それから頭のてっぺんからつまさきまで、わざとらしくジロジロと見回した。
「へーえ」
「な、なんですか、その“へーえ”って」
「いやー、五月くんって女の子だったんだな、と思ってね」
「……」
(先輩ってば、それ褒めてるつもりなのかしら…?)

水曜日 2:30pm
 薫子は待ち合わせ場所のペットショップへと向かった。目的のカフェは歩いて10分ぐらいの所にあるらしい。
 店の前で待っていた麻生は、薫子を見るなり楽しそうに笑った。
「こんにちは。今日はいつもにも増して素敵ですね」
「ありがとう。変装のつもりなんで、雰囲気をぐっと変えてみたんですけど」
「とても似合ってます」
「そんな、嬉しがらせないでください」
(なんだかデートみたいでちょっと照れるなー。まったく、先輩に麻生さんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいもんだわ)
「じゃあ、そろそろ行きましょうか」
薫子は目的地のカフェに向かう道すがら、麻生に話を聞いてみることにした。
「麻生さんは刈谷さんについて、どう思ってます?」
「刈谷さんですか…悪い人ではないと思いますが、犬に対する愛情をはきちがえてしまっていますね。とにかく甘えさせてやればいいと思っているような、それでいて気分によって叱ってしまうような人だから。そういう態度は犬が混乱するので、決して好ましくないんです。おまけに話を聞いたところ、人間と同じような食べ物、味付けのついた焼肉とかケーキなんかを食べさせていたらしいんです。何度も注意したんですが…」
「聞いてもらえなかった、わけですね」
「そうなんです。そのことで、会の人たちも腹に据えかねていたようなんです」
「間宮さんも?」
「ええ。祖父は正義感の強い人で、とにかく曲がったことが嫌いな人で、とても頑固なんです。一度こうと思ったら絶対に意思を曲げないんです。ちょっと刈谷さんと似たところがあるのかもしれませんね。刈谷さんも頑固な人ですから」
「2人はよく喧嘩していたんですか?」
「ええ、口争いが絶えなかったみたいです」
(まさに犬猿の仲なわけね。どっちも自分は犬だと主張しそうだけど)
「そもそも、刈谷さんはなぜ犬愛好家の会に?」
「犬を飼うのは初めてだというので、プロの助言があった方がいいだろうということで紹介したんです」
「そもそも、刈谷さんとのご縁は? ただのお客様ですか?」
「うちの父と刈谷さんのなくなったご主人が友人だったんですよ。それでご主人を亡くしたばかりで元気のない刈谷さんを見て、父が心配して何か動物を飼うように薦めたらしく、うちの店にいらしたんです。そのとき、ちょうど祖父から譲ってもらったばかりのジローがうちにいまして。とても珍しい犬種だというお話をしたら、ぜひ欲しいと言われました。シーリハムテリアは気性も大人しくて無駄吠えもしないので、初めての人でも比較的飼いやすい犬なので、お譲りしたんです」
「ちょっと待って! 今祖父から…って言ってましたね。じゃあ、ジローは元々は…」
「祖父の所でブリーディングされた子です。それだけにジローの事がとても気になっていたみたいですね」
(なるほどね…)
 ほどなく2人は『カフェ・シーラ』に着いた。広いオープンテラスのカフェで、その中に5~6人ほどの犬を連れた人たちの姿が見えた。

 カフェに入ると、麻生はさっそく薫子をみんなに紹介しはじめた。
「おじいちゃん、こちらは僕の大学の後輩の妹さんです。名前はえーと…」
「古川エリカです。みなさん、初めまして」
「エリカさん、こちらはドッグブリーダーをしている僕の祖父の間宮勇太郎と、そのお友だちの犬愛好家の方々。みんな犬に関してはプロフェッショナルな人たちばかりなんですよ」
「そうなんですか。実は今すごく犬を飼いたいと思っているんですけど、詳しい方々のお話を聞いてからにしようと思ってるんです。麻生さんにお聞きしたら、犬に関してはこちらのみなさんの助言を聞くといいと言っていただいたので、お邪魔させていただきました。みなさん、すごい知識と見識をお持ちなんですよね?」
「いやあ、褒めすぎじゃないかな?」
「そうよ。間宮さんに比べたら私たちなんて、ねえ?」
 といいながら、みなまんざらでもない様子だった。
「でも、私たちでいいなら、色々と相談に乗りますよ」
「よろしくお願いします」
 お茶を飲みながらみんながそれぞれ犬について語り合う。とても和やかな雰囲気で、この人たちがなにか悪意をもって行動するようなことは考えられなかった。
「犬の躾って大変なんですか?」
「そんなことはありませんよ。愛情と躾の区別をきちんとつけて、可愛がるときは可愛がる、叱るときは叱る、そういうことをちゃんとしていれば大丈夫です」
 そう言いながら、みな一様に厳しい表情になった。そして
「犬をやみくもに可愛がることが愛情だと思っている人がいるのよ」
「犬にちゃんと躾をしないと、その子自身も不幸になることがあるのに」
 などと苦々しく言っていた。
(やっぱり、これって刈谷さんのことなのかしら。なかなか根が深そうね…)
 しばらく話をするうち、薫子はすっかり会の人たちに気に入られたようだった。
「最近犬を飼う人たちは、みんな自分勝手な人たちばかりだから、こういう思いやりのある素敵なお嬢さんに飼ってもらえる子はきっと幸せだろうねえ」
「本当にいいお嬢さんだ」
 などと薫子を褒めちぎる。すっかり気を許しているらしい様子だ。
(それは嬉しいんだけど、肝心なことが聞けないわね。刈谷さんの話を出したらまずいし、どうしようかな…そうだ、シーリハムテリアについて話を振ってみよう)
「実は私、シーリハムテリアを飼いたいんです」
「…ほう、いいですね。とっても大人しいし愛嬌があるし、室内で飼えますから初めての人には向いていると思いますよ」
「でも、実はどこのペットショップやブリーダーの方に聞いても順番待ちがすごくて…」
「日本ではまだまだ珍しい種類ですからね」
「なんとか手に入らないんでしょうか? 子犬じゃなくても構わないんですけど…」
「じゃあ、知り合いに当たってみますよ」
「ぜひお願いします」
 和やかな中でお茶会は終了した。みなめいめいに自分達の犬を引き連れて帰っていく。
(たいした収穫はなかったけど、仕方ないわね。次回に期待しますか)
「薫子さん、帰りましょう」
「あ、はい」
 麻生が先に店を出、薫子も帰ろうとしたその時だった。
「古川さん」
「…えっ、あ、はい?」
(聞きなれない名前だからつい反応が遅れちゃったわ)
 声をかけてきたのは間宮だった。
「なんでしょうか? 間宮さん」
「実は、今うちに1歳半のシーリハムテリアがいるんですが、宜しければお譲りしましょうか?」
「…えっ、本当ですか?」
「ええ。ちょっと事情があって私の手元に戻ってきた子なんです。今躾をしている最中なんですけど、いい飼い主の方がいればお譲りしようと思っていたのですよ。あなたのような人に飼われるんだったら、きっとあの子も幸せだろう」
(1歳半のシーリハムテリア? ジローと同じ年だわ。まさか…!)
「願ってもないお話ですけど…一度家に帰って両親に相談してからご返事しますね」
「じゃあ、ご返事はこちらに連絡をください」
 そう言って、間宮は名刺を渡した。住所は、ここからさほど離れていない。
「ありがとうございます」
 薫子は礼を言って、その場を去った。
 店の外では麻生が待っていた。
「五月さん、どうかしましたか?」
「麻生さん、今、間宮さんの手元にシーリハムは何匹いるんでしょう?」
「…数ヶ月前に子犬をすべて譲ったばかりだから、4歳のメスと4歳半のオスがいるだけだと思いますけど。……それが何か?」
「いいえ…ちょっと聞いてみただけです。じゃあ、私、帰りますね。今日は本当にどうもありがとうございました」

水曜日 6:00pm
 薫子はお茶を飲みながら、絹子から聞いてジローの特徴についてまとめた書類をじっと見つめていた。頭に浮かぶのは間宮が最後に言った話だ。
「ジローと同じ1歳半のシーリハムテリアが間宮さんの所に偶然いるなんて、そんなことってありえるのかしら…? 考えれば考えるほど怪しいわ」
(よし! 明日連絡して、その子に会わせてもらおうっと)

木曜日 1:00pm
 午前中に約束を取り付けた薫子は、間宮勇太郎の家を訪れた。そこは、馬渕公園や麻生のペットショップから位置も近く、閑静な住宅街の中にあった。
 ドアベルを鳴らすと、すぐに女性の声で応対があり、中へ通された。高級住宅地にも関わらず敷地は広く、庭が普通の一戸建ての面積ほどもあった。
(うわあ、間宮さんってお金持ちなのね。孫の麻生さんも大きなペットショップの店長をしているぐらいだし…やっぱり麻生さんとはもっと仲良くなっておこうかな。なんてね)
「やあ、いらっしゃい」
「お邪魔致します。あの、早速で申し訳ないんですが…わんちゃんを見せてもらえますか?」
「ああ、ラルフは今庭で遊んでいるんだよ。こっちへ」
(名前は違う…か)
 部屋の窓から庭を見ると、広い庭で数匹の犬がのびのびと駆け回っていた。シベリアンハスキーが1匹、ミニチュアダックスが2匹、コーギーやシーズーもいる。その中に、真っ白いふわふわの毛をなびかせている、ぬいぐるみのような犬の姿があった。まさしくシーリハムテリアに間違いない。
「ラルフ、おいで!」
 間宮は声高に名前を呼んだ。だが、遊びに夢中になっているからか、聞こえないのか、一向ににその声に反応しようとはしなかった。
「ラルフ! ラルフ!」
 何度も呼ぶと、ようやく、不思議そうにこちらを見て、それからゆっくり駆けてきた。
「なんだか反応が鈍いんですね」
「え、ええ…まだちょっと躾をして間もないものでね。でも賢い子ですよ」
 そのシーリハムテリアは、間宮の足元で可愛くシッポを振っている。
(うーん、ジローのようにも見えるし、違うような気もするし…。お腹のブチは、この位置からだと見えないわね)
「抱いてみてもいいですか?」
「どうぞ」
 薫子は、ふわふわしたその犬を抱き上げた。見かけより重い。だが、大人しくされるがままになって、つぶらな瞳を薫子に向けていた。
(うわ、かわいー…って惑わされてる場合じゃないのよ。お腹を見なきゃ…と…)
「…あった」
 思わず薫子は、口に出して呟いてしまった。
「何がですか?」
「い、いえ、男の子かなあ、女の子かなあって思ったもので。…見たら、あ、あったな~なんて。あははは」
「ええ、オスですよ」
(ふう、あぶないあぶない。…でも、あったわ。ジローの特徴と同じ、お腹のブチが。じゃあやっぱりこの子はジロー?)
 とりあえず証拠をそろえ、あとは刈谷絹子本人の判断に任せるべきだろう。
 薫子は「両親に見せたいから」と言って、ラルフ(ジロー)の写真を撮った。

木曜日 5:00pm
 事務所に戻った薫子は、さっそく刈谷絹子に報告の電話をする。だが、絹子の声は全く生気がなかった。
『…じゃあ、ジローちゃんは元気なんですね?』
「ええ、今日明日どうこうっていう心配はありません。…どうされますか?」
 しばらくの間があって、絹子は言った。
『…明日、間宮さん家に連れて行っていただけますか』
「はい、わかりました」
 電話をきったあとも、薫子には絹子の様子が気にかかっていた。

 翌日、さっそく薫子は絹子を連れて、間宮の家に向かった。
 絹子は最初に事務所に来たときの強引な様子はみるかげもなく、どこかしぼんでしまったようにさえ見えた。とにかく元気がない。
(せっかくジローが見つかったっていうのに…どうしたのかしら?)
 間宮さんの家についたが、あくまで様子見なので、正面からは行かず、まずは庭の方を見てみることにした。
 正面玄関の裏に廻ってみると、この前来た時と同じく、広い庭で犬達が遊んでいた。
 そしてその中には…ラルフことジローの姿があった。ジローは他の犬達と一緒に、楽しそうに広い庭を駆け回っている。
「ほら、あれジローちゃんですよ。間違いないでしょう?」
「ああ、本当にジローちゃんだわ…まあ、うちにいた時より毛の色艶もよくて、すごく元気みたい。たくさんのワンちゃんたちと一緒で、楽しそうねえ…」
「どうなさいます? 間宮さんとお話されるんでしたら、私もご一緒しましょうか」
 だが、ジローをじっと見つめていた絹子は、
「……もういいわ」
 とぽつりと呟き、その場に背を向けた。
「え? どうしたんですか?」
「ここにいる方がほかの犬とも遊べるし、私といるよりきっと幸せんじゃないのかしら…だから、もういいの」
「そんな、刈谷さん!」
 薫子の制止も聞かず、とぼとぼと歩き出す絹子。その背中は、絹子とは思えないほど気落ちして小さくなっていた。
「刈谷さん…本当にいいんですか?」
 薫子は絹子の背中に語りかける。絹子は、足を止めた。わずかに肩が小刻みに震えていた。
「いいの。亡くなった主人と同じ名前をつけて可愛がってたけど、私じゃ、あの子を幸せにしてあげられないもの。思えば、ひどい飼い主だったわ…」
 そう言いながら振り向いた。そして少し声を張り上げて、
「ジローちゃん、元気でねー」
 と言った。その時だった--
「ワン!ワン!!」
 ジローが、急にくるりとこちらに身体を向けると、なんとそのまま一目散にこちらに向かって走り出してきたのだ!
「じ、ジローちゃん!」
 そして、ジローは絹子に思い切り飛びついてきたのだった。
「ジローちゃん、ジローちゃあああん!」
 ジローの身体をぎゅっと抱きしめて、絹子はおいおいと泣き出した。ジローはちょっと窮屈そうにしながらも、絹子の顔を嬉しそうにペロペロと舐めていた。
 その様子を遠くから間宮が見つめているのを、薫子は見逃さなかった。

 薫子は間宮の前に進み出た。
「間宮さん…こんにちは。昨日はありがとうございました」
「君は…古川くんか?」
「そうです。私の本当の名は五月薫子といいます。実は探偵で、刈谷さんに頼まれてジローの行方を探していたんです」
「そうだったのか…」
「間宮さんがジローを連れていったんですか?」
「ああ。私はジローのことが心配で、刈谷さんが会を抜けてからも何度もジローの様子を見に行っていたんだよ。そしてあの日…刈谷さんは、足を引きずっているジローを散歩させていた。あんまりのことに、私は我慢できなかった。だから、ジローの母犬を使ってジローをおびき寄せて、連れ去ったんだ」
「あのとき、刈谷さんは怪我をしたことが分かって、急いで家に帰ろうとしていたようです」
「そうか…私の早とちりだったのか。だがジローをあのままにしておけないと思ったんだよ」
 間宮はそう呟いた。その瞳には、ジローを抱きしめて泣いている絹子の姿が写っていた。
「間宮さん…」
(この人も刈谷さんも、ジローに注ぐ愛情は一緒なのに…なぜこんなにも心が食い違ってしまったのだろう…)
 ともあれ、ジローを探すという依頼は無事終了したのだ。

金曜日 pm3:00
 薫子は事務所で報告書を書いていた。
 結局間宮はあっさりと絹子にジローを返したようだった。刈谷さんを見直したというより、ジローの飼い主への愛情にうたれたようだ。
 間宮と絹子の間の亀裂はなかなか埋まりそうになかったが、麻生が間に立ち、会の人や間宮さんとの間を取り持つように骨を折ってくれるという。絹子も反省しているらしく、麻生の助言を聞きながらジローの躾や世話をするようになったという。
 刈谷も元はそんなにわがままではなかったらしい。ただ旦那さんを亡くしてから素直に愛情を抱ける存在に出会っていなかったために、どこか歪んでしまったのだ。
(時間はかかるかもしれないけど、きっと仲良くなるわよね。ジローへ向ける愛情は一緒なんだから)
「ペットっていいな。私も今日は早く帰ってコウメイくんとたっぷり遊ぼう~っと」
「それは甘いな」
「え、先輩、なんですか?」
「五月くん、梨本さんの案件の資料作成はどうした?」
「あ~~忘れてた! …それ、今日じゃないとダメですか?」
「ダメ。明日から調査に入るんだからな。ほらさっさとやる」
「先輩厳しい~もうちょっと後輩に優しくしてください」
「優しくするだけじゃいけないんだろ。躾はきちんとしないとな」
「私はペットじゃないんですから~もう!」
 そう言いながらも書類を取り出し、資料作成にとりかかる。だが山のようにある書類を目にし、ちょっと泣きたい気分だ。
 だが、ふいに手がちょいっと伸びてきて、書類の束の半分近くを取り上げた。
「仕方ないな、手伝ってやるよ」
「いえ、これは私の仕事ですから…でも、どういう風の吹き回しですか?」
「今回はよく頑張ったからな。ご褒美と…今回の件を押し付けたお詫びだ」
(…先輩ってば。いいとこあるじゃん。たまにはね)
「じゃあ、手分けしてさっさと片付けて飲みにでもいきましょう!」
「いいな、お前の驕りだろうな?」
「えええ~!それは逆じゃないですか」
「薫子さんのおごりで飲めるんですか?私も手伝いまーす!」
「ゆ、優奈ちゃんまで…」
薫子はそっと財布の中身を見る。や、やばい。
顔を見てると2人ともニヤニヤと笑っていた。
「…この私を見てかわいそうに思った王子様がどこかへさらってくれないかしら」

END
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関谷うらら
  • Author: 関谷うらら
  • 妄想大爆走な文章を書くのが趣味の♀です。
    「妄想は自分を裏切らない、妄想も自分を裏切ってはならない」が座右の銘ですw

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    urara0202777@excite.co.jp

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